SWEET LOVE SHOWER 2012

2012.9.1 Sat - 2 Sun 会場 山中湖交流プラザきらら

LIVE REPORT

EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX

「SWEET LOVE SHOWER 2012」初日、Mt.FUJI STAGEのトリを見事な貫禄で締めくくったのはEGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX。トランペットが高らかに鳴り響き、宴がスタートすると同時に、集まったオーディエンスは陽気に踊り始めた。
 
それもそのはず、セットリストはのっけから「黒アリのマーチングバンド」「くちばしにチェリー」と人気アッパーチューンの連続。中納良恵(Vo)は「GIME ME A VOICE! もっともっとGIME ME A VOICE!!」と観客を煽りまくり、その屈強なボーカルを惜しみなく響かせる。
 
攻撃的なパフォーマンスとは裏腹に、MCでは「わあー! 山中湖のみんなー! 集まってくれてありがとうー! 雨降って大丈夫か? 寒ないか? 今日はいっぱい楽しんでる? おいしいもん食べてる?」と来場者を優しく気遣う中納と森雅樹(G)。続くピースフルなミドルチューン「love scene」では、「♪この富士山のふもと」と歌詞をアレンジしたり、間奏中に「2012! SWEET LOVE SHOWERー!!」と叫ぶなど、関西人ならではのサービス精神を振りまいていた。
 
中納の弾くピアノの旋律が美しい新曲「水中の光」、思わず体を揺らすウォーキングベースが特徴のジャズナンバー「Nervous Breakdown」などを経て、最後は代表曲のひとつ「GO ACTION」で最高潮の盛り上がりに。「♪今日も明日も踊り明かそうよ」という歌詞は、まさに今日のこの場にピッタリとハマった。確かな演奏力から繰り出されるアドリブ満載の彼らのステージは、「おおきに」という言葉を残して潔く終了した。
 
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セットリスト
01. 黒アリのマーチングバンド
02. くちばしにチェリー
03. BRAND NEW DAY
04. love scene
05. 水中の光
06. Nervous Breakdown
07. サイコアナルシス
08. GO ACTION

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avengers in sci-fi

この日のFOREST STAGEのラストに登場したのはavengers in sci-fi。熱狂的な手拍子で迎えたオーディエンスに対し、ステージに登場した3人はまず「NAYUTANIZED」を披露する。アベンズならではの浮遊感に満ちたサウンドと、ダンサブルなビートが観客をさらなる狂乱へ導く。その後も木幡太郎(Vo, G)、稲見喜彦(B, Vo)のユニゾンボーカルが響く「Universe Universe」、長谷川正法(Dr)の迫力たっぷりのドラムが印象的な「Before The Stardust Fades」と、圧巻のナンバーを連発した。
 
丸1日、雨にも負けずにさまざまなアクトを楽しみびしょ濡れになっているオーディエンスを見渡し、木幡は「びしょ濡れじゃねえか! みんな水着で来ればよかったのに(笑)」と話しかける。そして「夏が終わるね。最後の夏によろしく。みんな踊ってってください」と言って「Symphony Of The End」を奏でる。心地よいリズムの中にどこか切なさを漂わせる、まさに夏の終わりにぴったりなサウンドに、観客は気持ちよさそうに身体を委ねていた。
 
その後「Homosapiens Experience」のイントロがフェードインで始まるとオーディエンスは再び熱狂し、3人の生み出す痛快なグルーヴに激しく踊り狂って反応する。続く「Sonic Fireworks」では、木幡がオートチューンを効かせたボーカルを高らかに響かせ、3人で息もぴったりに複雑なリズムを刻み続けていく。そして幻想的なイントロから始まったラストナンバー「Yang2」では、華やかで力強いアンサンブルで観客を踊らせた。演奏を終えた3人がステージを去ったあとも、オーディエンスは彼らの熱演を称えアンコールを求める拍手を笑顔で鳴らし続けていた。
 
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セットリスト
01. NAYUTANIZED
02. Universe Universe
03. Before The Stardust Fades
04. Symphony Of The End
05. Homosapiens Experience
06. Sonic Fireworks
07. Yang2

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the HIATUS

夕刻のLAKESIDE STAGEで、ときに激しく、ときに静謐な世界を描いたのは初出演となるthe HIATUS。ライブ前、サウンドチェックに現れた細美武士(Vo, G)は雨に濡れた観客のため、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」を弾き語りで、さらに続けてバンド編成で「The Ivy」を熱演。思わぬプレゼントに大歓声が沸き、フィールドのテンションが高まっていく。「本番よろしくお願いしまーす」と細美が一旦退場すると、笑い声が響いた。
 
そして幕を開けた本番のステージ。序盤で披露された「The Flare」から壮大なサウンドスケープが紡がれ、細美のエモーショナルな声がフィールド全体を支配する。続く「Insomnia」では、伊澤一葉(Key)の切ないピアノが細美のボーカルに寄り添い、楽曲の美しいサウンドを彩った。
 
細美はイベントを存分に堪能していることを明かし、「今まで来なかったのを後悔してます。素晴らしいフェスティバルに呼んでくれてありがとう」と感謝。自然に囲まれたステージに似合う「Deerhounds」、複雑なアンサンブルを聴かせる「Superblock」、カントリーミュージックを思わせる素朴な「Souls」などタイプの異なる曲を続け、the HIATUSの奥深い世界へと誘った。
 
スケール感たっぷりの「Bittersweet / Hatching Mayflies」を届けた後、再びMCを始めた細美。「夏フェスすげえ好きになっちゃった。元々好きだったけど、今年余計に。この文化、子供から孫まで残していこうぜ」と笑顔で語り、ラストの「On Your Way Home」を歌う前には「また会いましょう!」と再会を約束。優しく強い歌声とアンサンブルを響かせ、初の「SWEET LOVE SHOWER」を終えた。
 
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セットリスト
01. The Flare
02. Insomnia
03. Deerhounds
04. Superblock
05. Souls
06. Bittersweet / Hatching Mayflies
07. 紺碧の夜に
08. On Your Way Home

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星野源

のほほんとした星野源ワールドは、直前のリハーサルから既に始まっていた。「これリハーサルだからね。そんなに真剣に聴かなくて大丈夫だよ」「あーあー、星野です。あっどうも、はじめまして」「一応段取りとして一旦引っ込むんで。すぐ帰ってくるから!」と、オーディエンスにまるで友達のように語りかける。その後の本番は「いい感じに暗くなってきたんで、今日は暗い曲をいっぱいやって帰ります。よろしくお願いします」とゆるく挨拶する。この温もりや親しみやすさこそ、彼が多くの人を惹きつける理由だろう。
 
今回の星野のステージは、豪華なバンドも見どころ。伊賀航(B)、伊藤大地(Dr)のリズム隊に加え、3曲目「営業」の前には高田漣(PedalSteel)が、4曲目「パロディ」の前には4人構成のホーンセクションが呼び込まれ、奏でるサウンドはどんどん厚みを増していった。
 
ちなみに星野はステージ上のメンバーを紹介し、最後に「"客"というパートの、サカナクション山口一郎」とステージ袖で観ている親友を付け加えた。さらに、このとき降り出した大雨について「絶対あの人のせいだと思う!」と言い放つ始末だ。
 
後半、非常に強い雨の中、星野は雨音に負けじと普段以上に力のこもった歌声を響かせる。観客も体力を奪われてもなお、食い入るようにステージを見つめる。星野がオーディエンスを、オーディエンスが星野を応援しているかのような雰囲気の中、ライブパフォーマンスが無事最後まで遂行されると、Mt.FUJI STAGEには大きな拍手が響き渡った。
 
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クリープハイプ

クリープハイプのライブは開演前から多数のオーディエンスがステージ前に詰めかけ、大盛況に。ステージに現れた尾崎世界観(Vo, G)は「こんなに集まってどうした?(笑)」ととぼける。そして「間違ってるとまずいので一応自己紹介します。今話題の次世代ロックバンド、クリープハイプです。よろしくお願いします!」という言葉とともに、1曲目「イノチミジカシコイセヨオトメ」が始まった。
 
集まった人々の刻むリズムに合わせてステージ前の地面が大きく揺れる中、「手と手」「愛の標識」と強力なナンバーが次々と繰り出される。尾崎の切なく力強い歌声、小川幸慈(G)、長谷川カオナシ(B)、小泉拓(Dr)による盤石のアンサンブルが、集まった観客の心をつかみさらなる熱狂へ導いていく。そして10月3日にリリースするニューシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」、さらに「スペシャでもいっぱい流してもらった大ヒット曲(笑)」という「オレンジ」へ。オーディエンスは笑顔でジャンプを繰り返し、ポップな楽曲を全身で楽しんでいた。
 
「オレンジ」が終わると尾崎は「どのフェスも一番小っちゃいステージだから、このまま消えるわけにはいかないんだよ(笑)。ということはあなたたちにかかってるということですよ? 残り2曲、どうぞお力添えのほどをよろしくお願いします」と観客を煽り、ラストパートへ入る。疾走感に満ちたアレンジの「ウワノソラ」、長谷川のベースソロから始まった「HE IS MINE」と、ラストはどちらの曲も壮絶な盛り上がりに。曲が終わると尾崎は笑顔で「ありがと」と一言言い残し、満足げにステージを後にした。
 
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セットリスト
01. イノチミジカシコイセヨオトメ
02. 手と手
03. 愛の標識
04. おやすみ泣き声、さよなら歌姫
05. オレンジ
06. ウワノソラ
07. HE IS MINE

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