SWEET LOVE SHOWER 2013

2013.8.31 Sat - 9.1 Sun 会場 山中湖交流プラザきらら

LIVE REPORT

電気グルーヴ

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西日が差し込むLAKESIDE STAGEに現れたのは「SWEET LOVE SHOWER」初出演の電気グルーヴ。開放的なシチュエーションの中、まずサポートメンバーの牛尾憲輔(agraph)がDJブースにスタンバイして不穏な重低音を鳴らすと、点滴を打たれながら車椅子でうつむく石野卓球とそれを押すピエール瀧が登場した。「The Big Shirts」からスタートした電気グルーヴのライブは、この日バンドサウンド三昧だったオーディエンスに新鮮な刺激を与えていく。
 
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間髪入れずに始まった2曲目「Missing Beatz」で、卓球と瀧はステージを往来しながらキャッチーなメロディを歌い上げる。「Shame」からは卓球がDJブースに移動し、瀧は舞台前方を悠々と歩き回りながらオーディエンスを煽りまくった。彼はステージサイドのビジョンいっぱいに自分の顔面を移したり、ステージ袖から拳を突き出したりと、自由すぎるパフォーマンスで観客の目を引く。一方で卓球は「聴いてください、聴いてください、楽しんでください! 電気グルーヴ!」と叫び、フィールド全体のテンションを高めていった。
 
キラーチューン「Shangri-La」では場内がさらに大きな盛り上がりを見せ、オーディエンスは皆手を上げて、臓器に響くビートにそれぞれ身を委ねた。ドラマチックなストリングスが響く「Upside Down」を終えた2人は、ファン歓喜の「電気ビリビリ」をラストナンバーとして披露。電気グルーヴはノンストップのパフォーマンスでLAKESIDE STAGEを巨大なクラブへと変化させ、さっそうとステージを去っていった。
 
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セットリスト
01. The Big Shirts
02. Missing Beatz
03. Shame
04. Shameful
05. Zoo Desire
06. Shangri-La
07. Upside Down
08. 電気ビリビリ

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TK from 凛として時雨

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少しずつ太陽が傾きかけたMt.FUJI STAGEに、TK from 凛として時雨が登場。TK(Vo, G)はBOBO(Dr)、山口寛雄(B)、大古晴菜(Piano)、佐藤帆乃佳(Violin)とともにステージに現れた。
 
ライブのオープニングを飾ったのは幻想的な世界を描き出す「flower」。赤を基調とした照明がシリアスなサウンドを引き立てる中、TKはアコースティックギターをつま弾きながら、艶のあるハイトーンボイスを響かせる。その歌声はひとつの楽器のようにアンサンブルの中に溶け、独創的なサウンドがゆっくりと着実にオーディエンスの耳を奪っていった。
 
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TKのささやくような「ありがとう」という感謝の言葉に続いたのは、個々の楽器の音色が複雑に絡み合う「Abnormal trick」や、ピアノにみずみずしい声が重なる「haze」など。丁寧に紡がれる緻密なサウンドは野外の開放的な空間で、伸びやかにその存在感を示していく。
 
彼は「はじめまして、TKと言います」と手短かにMCを行うと、あとは淡々とライブを展開する。一方、観客たちは思い思いの形で、次々と紡ぎだされる繊細なサウンドを味わい尽くした。そしてTKの絶叫がフィールドを切り裂くように響いた「film A moment」をもってライブは終了。緊迫した空気を和らげるように、おごそかな拍手が会場を包み込んだ。
 
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セットリスト
01. flower
02. Abnormal trick
03. phase to phrase
04. Fantastic Magic
05. haze
06. film A moment

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WHITE ASH

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のび太(Vo, G)は登場するなり満面の笑みでスペースシャワーTVのタオルを広げてオーディエンスにアピール。WHITE ASHのライブは彼の「準備はいいですか!」という煽りからスタートした。
 
アッパーチューン「Jails」で勢いを付けたバンドは、ジャキジャキと鳴らされるギターを中心としたソリッドなアンサンブルでオーディエンスの興奮度を高めていく。のび太は曲中で「気持ちいい!」と叫び、MCではこのステージのピラミッド型の外観がバンドのロゴとそっくりなことを受けて「FOREST STAGE改めWHITE ASH STAGEへようこそ!」と意気揚々と宣言した。
 
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続く「Crowds」でバンドは緩急をつけた演奏を披露し、そのスキルを存分に発揮する。「Paranoia」ではギターを置いて身軽になったのび太が身体をくねらせながらステージ上を縦横無尽に動きまわり、観客を熱くアジテートした。
 
「最後、僕らと一緒にお祭り騒ぎしませんか!」との声とともに「Pretty Killer Tune」に突入すると、観客もすべての力を出し尽くすかのように暴れまくる。終盤ではフィンガー5「学園天国」のコール&レスポンスも盛り込んでオーディエンスを楽しませた彼ら。この30分間、FOREST STAGEはまさに“WHITE ASH STAGE”へと変わっていた。
 
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セットリスト
01. Jails
02. Kiddie
03. Crowds
04. Stranger
05. Paranoia
06. Pretty Killer Tune

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(((さらうんど)))

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湖畔に浮かぶWATERFRONT STAGEの今年最後のアクトは、初出場のポップスバンド・(((さらうんど)))。K404(PC, Drum Machine)とCrystal(Key)、サポートのカシーフ(G)とアチコ(Cho)がスタンバイしたステージにイルリメこと鴨田潤(Vo, G)が加わると、鴨田は「一緒に踊ってくれる?」と観客を立たせてステージギリギリまで近付くよう呼びかける。
 
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砂原良徳がトラックを制作した「きみは New Age」では鴨田が軽快にマラカスを振り、「空中分解するアイラビュー」では「ファールボール!」という曲入りの合図をオーディエンスにレクチャーする。観客も生演奏とドラムマシーンによる良質なポップスを浴びつつ、手拍子をしたり身体を左右に揺らしたりと、思い思いの楽しみ方を見つけていく。
 
鴨田は「今日初めて出させてもらったんですけど、出番が16:00ということで西日が強いと聞いてまして『そのせいでお客さんの表情が険しいかもしれませんが、それは西日のせいなので皆さん安心してください』と言ってくださったスタッフの方ありがとうございます!」と話してその場を和ませた。
 
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そして彼らは代表曲のひとつである夏ソング「サマータイマー」を最後にプレゼント。ライブが最高の高みに到達したとき、バンドは演奏を止めオーディエンスと一緒に「二人が押した サマータイマー 何時までも」と繰り返しシンガロングを続けた。ついには湖でカヌーを楽しんでいる人々も手拍子と歌を始め、辺り一帯が大きなライブ空間となった。
 
セットリスト
01. Welcome to Brand New Age
02. Signal Signal
03. きみは New Age
04. 空中分解するアイラビュー
05. R.E.C.O.R.D.
06. サマータイマー

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マキシマム ザ ホルモン

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ギラギラとした太陽が照りつけるLAKESIDE STAGE前には「SWEET LOVE SHOWER」に5年ぶりの登場となるマキシマム ザ ホルモンのステージを体感しようと、早くから多数のオーディエンスが集結。最新アルバム「予襲復讐」を携えてのライブとあってファンの期待値も自ずと高まっていく。
 
怒号のような歓声に出迎えられた4人は、いきなり「握れっっ!!」をお見舞い。ヘッドバンギングで盛り上がる観客を前に、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)は激しくシャウトし、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)と上ちゃん(4弦)はジャンプしながら楽器を奏でる。そのまま次の曲へ、と誰もが思っていた瞬間、ダイスケはんがいきなり「また来年山中湖で会いましょう!」と締めの挨拶をし、戸惑う観客を横目に男性メンバー3名は退場してしまう。残されたナヲ(ドラムと女声と姉)は「まだ1曲しかやってない! 5年ぶりなのにセットリスト間違えてる!」と怒りの表情。観客に「ガッツだぜ!」コールを求め、3人を呼び戻して強制的にライブを再開させた。
 
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コントさながらの演出にオーディエンスが沸き立つ中「『F』」が投下されると、砂埃が高く舞い上がり、地面が激しく揺れまくる。「6年ぶりのアルバムを引っさげて山中湖に帰ってきました! 砂埃にまみれて踊りきれますか?」というダイスケはんの煽りを受けてバンドがぶちかましたのは「便所サンダルダンス」。ホルモン流のダンスチューンを浴びて腹ペコたちのテンションは天井知らずに上がり続け、フィールドはすさまじい熱気に包まれた。
 
MCでナヲは「ほらね晴れたじゃん。雨降んなきゃいいなと思いましたが、こんなに暑いなんて聞いてないから! 5年前は土砂降りでしたから。でも5年も経つとね、さわやかな青年たちがいっぱいいて。ONE OK ROCKとか[Champagne]とか。だから若いヤツの空気吸ったろと思いまして」とビニール袋にドラムセット周辺の空気を入れ、「これを物販で売ります! スタッフー!」と叫ぶ。するとスタッフではなくONE OK ROCKのTaka(Vo)がファブリーズを持ってステージ袖から登場。臭い消しとばかりにダイスケはんに吹きかけると、フィールドは大爆笑に包まれた。続けてナヲは「暑いですけど、臭いですけど、いけますか?」と絶叫する。しかしその直後にベースの機材トラブルが発覚し、ライブ中断を余儀なくされる事態に。だがナヲとダイスケはんはアクシデントに動じることなく「モンスターロック」でもおなじみのトークスキルで観客を楽しませた。
 
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無事機材のコンディションも戻ったところで、4人は「maximum the hormone」「ビキニ・スポーツ・ポンチン」を連発。この時点で持ち時間は過ぎていたが、ステージ袖にいた細美武士(the HIATUS)の承諾を受けライブはそのまま続行となった。「恋のスペルマ」の前には、この日のトリを務めるにも関わらず時間オーバーを許してくれた細美への感謝を伝えるように「細美さんの言うことは絶対!」という言葉にあわせてオーディエンスが一斉にジャンプする一幕も。こうしてマキシマム ザ ホルモンのステージはトラブルをものともしないコッテリなパフォーマンスで、壮絶な盛り上がりの中フィナーレを迎えた。
 
セットリスト
01. 握れっっ!!
02. 「F」
03. 便所サンダルダンス
04. maximum the hormone
05. ビキニ・スポーツ・ポンチン
06. 恋のスペルマ
 
photo by 浜野カズシ

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