地下室のロックンロール、富士山を揺らす

Mt.FUJI STAGEに現れたDOESのメンバーは、クールな表情のまま「戯れ男」のイントロを爆音で鳴らし始めた。重たいビートと気怠い歌声が絡み合い、山中湖の空気をDOES色に染めていく。
続いて演奏された「シンクロニズム」が終わる頃には、会場の盛り上がりはじわじわと加速。氏原ワタル(Vo.G)は「いい天気だね。いい曇天模様だね」と一言漏らし、その言葉に導かれるように始まった「曇天」でオーディエンスの熱は一気にピークに達した。「鉛の空重く垂れ込み」と歌うこの曲にふさわしく、まさしく空はどんよりとした雲が立ちこめた状態が続いている。
「サブタレニアン・ベイビー・ブルース」で観客をひとしきり踊らせた後、「あいにく富士山が見えないけど、晴れるように、陽が差すように新曲をやりましょう」というMCを受けて、バンドは10月22日に発売予定の新曲「陽はまた昇る」を披露する。疾走感あふれるこのナンバーには、初めて聴くファンも身体を動かして応えていた。
そして、いよいよステージはクライマックス。一躍DOESの名を世に知らしめた名曲「修羅」が演奏される。激しいドラムにギターのフレーズが重なった瞬間、ひときわ大きな歓声があがる。集まった多くのファンは拳を上げ、ジャキジャキと切れ味鋭いギターのカッティングに酔いしれているようだった。ラストはメジャーデビュー曲「明日は来るのか」を演奏し、会場はさらにヒートアップ。計8曲のステージは充実の内容で終了した。
地下のライブハウスで枯れた音を鳴らし、鬱々としたフラストレーションを叩きつけてきた彼らがこの開放的な空間で見せたパフォーマンスは、バンドの新たな可能性を匂わせるものだった。いつも通りのDOESの楽曲をいつも通りのスタイルで演奏しながら、圧倒的な広がりを獲得したこの日のステージ。新鮮さと貫禄が同居した彼らならではのライブに、観客はみな満足そうな表情を見せていた。

M-1.戯れ男
M-2.シンクロニズム
M-3.曇天
M-4.サブタレニアン・ベイビー・ブルース
M-5.陽はまた昇る
M-6.色恋歌
M-7.修羅
M-8.明日は来るのか
